相互理解

【中国】小泉首相論語引用に人民日報「もっと勉強せよ」

 小泉首相が、靖国神社参拝に関連して、論語の「罪をにくんで、人をにくまず」という一節を引用したことに、人民日報が噛みついた。31日付で、「断片的に引用して、孔子を曲解したものだ」などとする論説を発表した。

 論説では、小泉首相が引用した部分は、後世の偽作であるとする研究者が多いことを紹介。そもそも論語の一節として引用するならば、「孔子の言葉であると、評価が定まっている部分を使うべきだ」とした。

 さらに、問題の「罪をにくんで人を憎まず」という部分の後には、「罪を犯した人間を生かそうとする。それができないなら『刑』する」と続くことを紹介。

 また、前後の部分から判断して、「罪をにくんで」の部分は「小さな罪なら、これを赦(ゆる)す。老人や弱者は受刑させない」という考えを反映したものだと解説した。

 そして、「靖国神社に祀られているA級戦犯の犯した罪は、小さな罪なのだろうか。彼らは、弱者だったのだろうか」などとして、小泉首相の発言を、(孔子の一節を)断片的に取り上げ、勝手な解釈をほどこしたものだと、断じた。

 結論の部分では、小泉首相の発言に対する日本国内の反響を紹介。朝日新聞が社説で「過ちて改めざる、これを過ちという」などと論語を引用していることに触れ、「こちらは孔子の名言をきちんと使っている」として、「小泉首相はもっと勉強すべきではないだろうか」と皮肉っている

日本人一般が理解している内容と中国の人の理解している内容とでは、どのように伝搬したかで認識が違う。自分の国の価値観を押し付けるのではなく、自分の国の文化が他国でどのように理解されているかを考える方が重要である。
別に日本人は孔子の教えを歪曲して広めたいのではなく、一般的にそのように使われているだけだと思う。